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つい気になってしまう“髪のうねり”。
毎日セットをしても気づけばクセが出てしまう、雨の日には朝から気分が下がってしまう…そんな経験をしたことはありませんか。
そもそもなぜ雨の日に髪にうねりが出るのでしょうか。
実は、髪のうねりには『髪の水分量』が影響しています。他にもある髪のうねりの原因を、髪がうねるメカニズム、うねり・くせ毛の対処法と合わせてご紹介します。
どうして髪はうねるの?
そもそも髪はなぜうねるのでしょうか。
髪の“うねり”がでるメカニズムを見ていきましょう。
(1)髪がうねるメカニズム
髪の形状には、ストレートタイプの「直毛」以外に、カールした「波状毛」や縮れた「縮毛(球状毛)」があります。
・直毛
・波状毛
・縮毛(球状毛)
うねりの度合いは直毛→波状毛→縮毛(球状毛)の順にうねりが強くなり、この髪のうねりには『髪の断面のかたち』と『毛包のかたち』が関係しています。
・髪の断面のかたち
髪の断面がきれいな円形ほど直毛になり、楕円になるほどうねりが出ます。(図1)

(図1)髪の形状と髪の断面図との関係
・毛包のかたち
毛包とは、髪の根元部分である毛根を包んでいる袋のことを指します。
髪は皮膚に対して斜めに生えているのですが、「直毛」の場合はこの毛包が直線的に生え、カールした「波状毛」の場合は毛包がゆるくカーブして生え、縮れた「縮毛」の場合は毛包が反転しています。(図2)

(図2)髪の形状と毛包の形との関係
(2)うねりには2タイプあります
うねりには、元々の髪がうねっている「先天性のうねり」と、本来はうねりがない髪質だったのにうねりが出はじめる「後天性のうねり」があります。
・先天性のうねり
元々の髪が直毛かどうかは遺伝によって決まります。日本人の場合は約9割が直毛のため、先天性のうねりは少ないと考えられています。
・後天性のうねり
子どものころは比較的直毛なのに、成長するにつれてうねりが出てきて“くせ毛”になることがあります。この場合は、後天性のうねりにあてはまります。
では、うねり・くせ毛の原因にはどのようなものがあるのでしょうか。
髪がうねる原因とは?
髪がうねる原因は、2つあります。
原因1.頭皮の毛穴がゆがむ
元々毛包(髪の根元部分)はまっすぐですが、頭皮がゆがみ、毛包が曲がってしまうとうねりのある髪が生えてきます。
頭皮がゆがんでしまう原因には以下のことが挙げられます。
【頭皮の毛穴ゆがみの原因】
・加齢
・髪の毛を強く引っ張る髪型
・乱暴なシャンプーやブラッシング
・ストレス、産後によるホルモンバランスや自律神経の乱れ
・栄養不足
原因2.ダメージヘアにより髪の水分量がかわるため
髪が傷んでしまい、キューティクルがはがれると、水分が髪の毛の内側へ入り込みやすくなります。髪が水分を含むと膨張し、髪断面のかたちが変わるため髪がうねってしまいます。
キューティクルがはがれる原因には以下のことが挙げられます。
【キューティクルが変わる原因】
・乾燥
・紫外線
・ドライヤーやヘアアイロン
・パーマやカラー
・タオルやブラシなどによる摩擦
うねりやくせ毛にならないために、日頃から「頭皮を傷つけない」、「髪へのダメージを与えない」「生活習慣を見直す」、ということに気をつけたいですね。
具体的には何をしたら良いのでしょうか。
うねり、くせ毛にならないために心がけたい3つのこと
1.いつでも“健康な頭皮”を保つ
きれいな髪は、すこやかな頭皮から作られます。
ダメージに強い髪を育てるためにも、頭皮を傷つけないためにも、頭皮環境は大切です。
ここでは、頭皮をすこやかな状態に保つための方法をご紹介します。
・頭皮クレンジング
頭皮クレンジングをすることで、日頃のケアでは落とせなかった毛穴皮脂を取り除くことができます。週に1回など定期的に行いましょう。頭皮クレンジングの種類には、オイルクレンジングや炭酸水を使ったクレンジング、サロンでのヘッドスパなどがあります。
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・頭皮マッサージ -1日1分でもOK-
血行不良の場合、頭皮は髪へ栄養を届けることができなくなります。すこやかな頭皮を育てるためには、1日1分でも構わないので頭皮マッサージをしましょう。
また、頭皮マッサージをする時は血行促進成分やうるおい成分が配合された頭皮専用のエッセンスを使うこともおすすめです。
頭皮が乾くと、頭皮が突っ張ったり、炎症を引き起こす可能性もあるため、うるおいを与えて柔らかい頭皮作りを心がけましょう。
・シャンプー選び
シャンプーは弱酸性で髪をやさしく洗いあげてくれる「アミノ酸シャンプー」を選びましょう。必要な水分や油分は保ったまま洗い上げてくれるので頭皮やさしく、髪の乾燥にもおすすめです。
2.髪へのダメージはなるべく与えない
キューティクルは紫外線やドライヤーの熱、タオルの摩擦などにより損傷します。
タオルで髪をふくときは、頭皮はこすらず軽くポンポンと叩くようにふき、髪はタオルを髪に押し当てるようにして髪の水分を取りましょう。
また、洗髪後のドライヤーや朝のスタイリング時には、洗い流さないトリートメントやオイルなどでコーティングして、キューティクルの剥がれを守りましょう。
3.バランスのとれた生活習慣を心がける
・バランスの良い食事
髪の毛をつくるための栄養素は「タンパク質」です。タンパク質の中には、カラダの中で作ることができないものがあるので、健康な髪を育てるためには「タンパク質」を摂取しましょう。また、髪をつくるためには炭水化物やビタミン、無機質など他の栄養素も必要です。バランスの良い食生活をこころがけましょう。
【タンパク質が含まれている食品】 肉・魚介・卵・大豆製品・乳製品など |
・睡眠時間は6時間以上
頭皮は、睡眠中に少しずつ新しく作りかえられていきます。睡眠不足はきちんと頭皮が作りかえられず毛包がゆがんでしまい、うねりにつながることがあります。最低でも6時間は睡眠時間を確保しましよう。
・お酒は控えめに
髪の生成に大切な「ナイアシン」とよばれるビタミンは、アルコールを解毒するために使われます。お酒を飲む量が増えると、髪にまで栄養が行き届かなくなってしまうので、控えめにしましょう。
今ある“うねり・くせ毛”は、どうしたらいいの?
すでに“うねり”が出ていたり、今あるくせ毛を整えるにはどうしたら良いのでしょうか。
シーン別に“うねり”を整えるポイントをご紹介いたします。
『ドライヤーで髪を乾かすとき』のポイント
・ドライヤーやヘアアイロンを使う前に「洗い流さないトリートメント」や「ヘアオイル」をつける ・根元をしっかり乾かす ・髪が乾いたら、冷風をあてる |
髪を乾かすとき、つい濡れている髪に温風を送ってしまいがちですが、髪が乾いても根元は乾いていないことがあります。ドライヤーで髪を乾かすときは、「根元をしっかり乾かす」ことを意識しましょう。ここでも洗い流さないトリートメントやオイルは大切です。
また、髪と頭皮が乾ききったら、最後に冷風をあてましょう。そうすることで、開いたキューティクルが閉じて髪がまとまりやすくなります。
『朝のスタイリング時』のポイント
・ドライヤーやヘアアイロンを使う前に「洗い流さないトリートメント」や「ヘアオイル」をつける ・根元からブローする ・ピンと伸ばしながら温風をあてる ・頭皮を擦る・引っ張るはNG ・ヘアアイロンは140℃~160℃で3秒程度 ・仕上げにオイルスプレーやワックススプレーを使う |
ブローをする際は、髪を「ピンッと伸ばしながら」温風を当てましょう。また、ブローやスタイリングは“根元から”整えることもポイントです。頭皮を傷つけないように、頭皮をこすりすぎたり、強く引っ張らないように気をつけましょう。また、ヘアアイロンは温度が高いほど髪が傷みやすくなりますが、低いとクセがつきません。
目安は140℃~160℃の温度に設定し、つかんだ量に対し1回3~5秒程度。
さらに、外出先でうねりが出ないようにするには、ヘアセットの仕上げにオイルの入ったツヤだしスプレーやスプレータイプのワックススプレーを使う方法もあります。
外出先でのケア
【外出先でのヘアセット方法】 ・乾いた髪にうすくスタイリング剤をつける ・クシで髪をまっすぐとかす ・毛根を引っ張らないように髪の根元を抑えて毛先を引っ張る |
せっかくヘアセットをして出たのに、時間が経つとうねりが出はじめることもありますよね。そんな時に水をつけてセットし直すのはNGです。髪は濡らさず、オイルミストやスタイリング剤でセットしましょう。ポケットサイズの密閉容器にスタイリング剤を詰め替えてクシと一緒に持ち歩くと便利です。
うねりを生かしたヘアアレンジやストレートパーマも
うねりがある髪には、結んだ髪を少しずつ引っ張りゆるく結んでいるように見せるルーズスタイルのヘアスタイルがおすすめです。インターネットや雑誌などでいろんな髪型が紹介されているので、自分に合うアレンジを見つけましょう。
毎日ヘアセットをするのは面倒…という場合は、縮毛矯正やストレートパーマをかける方法もあります。定期的にかけ直す必要があるのでコストがかかり、髪への負担も大きいですが、とにかくくせ毛から解放されたい方にはおすすめです。
また、前髪だけ、など一部のみくせ毛の場合は、部分的にストレートパーマをかける方法もあります。美容師さんと相談して自分に最適な髪型を探しましょう。
まとめ
うねりの原因には「遺伝」、「頭皮の毛穴がゆがむ」、「キューティクルが剥がれる」ことが挙げられます。
うねり・くせ毛にならないためには頭皮や髪を傷つけず、きちんと栄養を取り込むことが大切です。また、今あるうねり・くせ毛に向き合うためには、髪と頭皮をケアしながら、うねりを抑える方法を知ることが大切です。髪型やヘヘアアレンジなどの情報量を増やし、自分に合ったケア方法を探しましょう。
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【参考文献】
・八木原陽一(2012)毛髪の化学と診断 株式会社薬事日報社
・本田光芳・伊藤雅章・木嶋敬二・永島敬士・熊澤立直(2009)新ヘア・サイエンス 社団法人日本毛髪科学協会
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by 美髪研究所編集部 |
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