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ヘアサロンでヘアカラーをオーダーする場合でも、市販のヘアカラーをお家で使う場合でも、一般的に1剤と2剤を混ぜて使うケミカルなヘアカラーは、早くしっかり鮮やかに染まるというメリットと同時に、どうしても頭皮への負担と退色の問題が付随してきますよね。
ゆえに、「頭皮のためにはナチュラル成分のシャンプー使いたいけど、少しでも色持ちを良くするにはカラーヘア用シャンプーを使うべきなのかな…」と迷われている方も多いのではないでしょうか。
その答えは、ヘアカラーの仕組みを理解すると自ずと明らかになります。
まずヘアカラーの1剤には酸化染料とアルカリ剤が配合されており、アルカリ性によって髪のキューティクルを開き、内部に酸化染料を浸透させます。そして2剤は主成分が過酸化水素水となっており、通称「オキシ」と呼ばれるように1剤のアルカリと反応して酸素を発生させます。
この反応でメラニン色素を壊して脱色、1剤の酸化染料と結合して膨らむことで髪の内部にカラーが定着します。
このカラーがしっかり定着するには約48時間かかるのですが、1剤のアルカリが残留しているとキューティクルが開きやすくなって染料が漏れ出てしまいます。
そのため、ヘアサロンではヘアカラー後にトリートメントを施すことで、この残留アルカリを中和して落とし、キューティクルが開かないようコーティングします。
ヘアカラー維持には“弱酸性と補修成分”の2つが重要
→植物由来のダメージ補修成分を配合した弱酸性のアミノ酸シャンプー
ヘアサロンでのトリートメントは施述を定着するためのケアですが、その後の退色予防にとって重要なのは、やはり毎日使うシャンプーです。
キューティクルはアルカリに傾くと開きやすくなり、その度に染料が流出しやすくなります。
ゆえに、ホームケアで使うシャンプーはまず“弱酸性”であることが必須、さらにキューティクルを補修する成分が配合されているかどうかで差が出ます。
カラーヘア用のヘアケアはもちろんこの点をクリアしていますが、頭皮や環境へのやさしさを優先してナチュラル成分のシャンプーでヘアカラーを維持したい、という場合はこの2つの点をきちんと押さえた処方であるかどうかがポイントとなります。
というのも、ナチュラル成分のシャンプーならどれでもOKというわけでなく、中には石けんが洗浄成分のベースとなっているものもあり、石けん成分はアルカリ性のためどうしてもキューティクルが開きやすくなります。
後から使うリンスやコンディショナーで中和してキューティクルを閉じることはできますが、やはりシャンプー時のキューティクルの開きやすさは避けられないのと、リンスやコンディショナーをまんべんなくパーフェクトに塗布できなかった場合、キューティクルが開きっぱなしの部分が出てくる可能性があります。
頭皮をさっぱりと洗えて環境にもやさしい石けんベースのナチュラルシャンプーですが、残念ながらヘアカラーの維持には適しているといえないのです。
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