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新緑の季節、日本では5月の第2日曜日といえば「母の日」。
日程こそ違うものの「母の日」は、世界40ヶ国で祝われている記念日です。
日本の「母の日」に関しては、もともとアメリカで始まったスタイルが伝来して現在にいたります。
みなさんは、「母の日」の始まりや、なぜカーネーションを贈るようになったかについてご存知でしょうか?
私自身もつい最近まで知らなかったその由来を、アメリカの歴史をひも解いてすこしお話します。
きっかけは、社会活動に勤しむ女性たち
「母の日」は、アメリカで1850年代に社会活動をしていたアン・リーブス・ジャービスが、衛生改善や負傷兵のケアなど、平和のために活動する母親たちの日頃の労をねぎらいあうためにピクニックなどを行っていたことが始まり。
それが現在のような「母の日」として定着したのは、アン・リーブス・ジャービスの娘であるアンナ・ジャービスによる働きかけからでした。
母が亡くなって数年後、アンナは尊敬していた母を想って“母親がしてくれたことに感謝する日”として「母の日」を祝うイベントを始めました。
これがどんどん広まり、1914年には当時の米大統領によって5月の第2日曜日が「母の日」として祝日に制定されました。
始めは、白いカーネーションが贈られていた
「母の日」とカーネーションが結びついたのも、アンナが母の好きな白いカーネーションを教会でのイベントで参加者に配ったことがきっかけです。
白いカーネーションの花言葉には“尊敬”の意味があり「母の日」にぴったりともいえますが、実はパーソナルな好みで選ばれた花が世界の定番となったのは意外ですよね。
それにしても、白いカーネーションがなぜ途中で赤に変わったのでしょう。
これについてはキリスト教における捉え方が関係しているともいわれ、初期の「母の日」では母親が亡くなっている場合は白いカーネーション、健在の場合は赤いカーネーションが贈られていたそうです。
しかし、この区別で悲しい思いをする子どもがいるのではないか、ということから赤いカーネーションが一般化されていきました。
お花と一緒にヘアケアを贈りたい、その心とは
こうして「母の日」の由来を知ると、これからはお母さんが一番好きな花を選んで感謝の気持ちを表しても良いのかもしれません。
また、今年私が母に贈りたいと思っているのは花束のように精油が贅沢に香るヘアケアアイテム。
というのも、お母さんはかつて、髪の美しさをちょっぴり犠牲にして出産を乗り越えているはずだから。
出産後は抜け毛を経験したり、授乳で髪に栄養が行き渡らず髪質ががらりと変わってしまう方も多いのです。
そして現在のお母さんが、更年期〜老年期を迎えている場合もまた、髪のボリューム不足やパサつきに悩まれている可能性は大。
髪の美しさは女性ホルモンとの関係が深いだけに、閉経前後は髪のお悩みが生じやすくなります。そうしたお悩みのいくつかはまだ明快な解決法が確立されていないこともあり、やはり大切なのは、毎日の適切な洗浄や潤い保持にこだわった上質なヘアケアで頭皮環境を整えていくことです。
幼い頃にお母さんからもらった幸福感のお返しを
生まれてすぐ自分ひとりで髪を洗って乾かし、颯爽とお出かけできるわけではない赤ちゃん期。自分でできるようになるまで、首が座らない時から何年間も、親は髪や体をきれいに整えてくれます。
また、シャンプー後の心地よい香りに包まれた髪を梳かし、頭を撫でてもらった子ども時代の安らぎを思い返すと、ヘアケアは親子のスキンシップであることにも気づかされます。
幼い頃の幸福感のお返しとして贈る、アロマティックで上質なヘアケアは、お母さんの心と髪に潤いと輝きを届けてくれると思うのです。
<参照>
日比谷花壇 hibiyakadan.com
「なぜ母の日にカーネーションを贈るの?カーネーションの色の意味と由来」
郵便局 母の日の豆知識
「母の日の定番はなぜカーネーション?その由来と色と花言葉」
いしずか久見子 Kumiko Ishizuka
セルフケアコンシェルジュ
美容ライター(石塚久美子名義)として長年に渡り先端の化粧品や健康法、メイクアップアーティストや化粧品開発者等の取材を経験。執筆の傍ら、皮膚の生理機能や新陳代謝、姿勢の重要性を感じ、タイ式ヨガといわれる“ルーシーダットン“を学び講師として活動。スキンケアや食の見直しなど、セルフケアで自身の敏感肌を改善した経験から、近年は栄養医学を学び栄養医学指導の資格も持つ。
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