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夏バテは、単なる疲労だけでなく、お肌や髪の大敵です。そこで、今回は漢方から見た夏バテのしくみと、効果的なスイカの食べ方をご紹介します。
みなさんは、スイカの皮ってどうしていますか?
きっとほとんどの方は捨ててしまっていますよね。
それはちよっともったいない。
実はスイカは夏バテや熱中症に効く天然の漢方薬。中国では白い皮の部分も、さまざまな料理に活用されているんです。
ビールとアイスが夏バテの原因 !?
暑くなるとついつい手が出てしまうのが、キンキンに冷えたビールやアイス。でも、それがつらい夏バテの原因になっているって、ご存知ですか?
昔から「お腹は冷やしちゃいけない」と言われている通り、胃腸は冷えに弱い臓器。冷たい飲み物が一気に流れ込むことで、たちまち調子を崩してしまうのです。
漢方では、胃腸は食べ物を消化・吸収してエネルギーを作り出すだけでなく、水分の巡りをコントロールする働きがあると考えています。そのため、胃腸の働きが悪くなると、腹痛や下痢、食欲不振はもちろん、体の重だるさ、むくみ、さらには気分の落ち込みなど、さまざまな”水毒”の症状がでてしまうのです。
夏バテの症状=”水毒”って何?
ところでみなさん、水毒(すいどく)って聞いたことはありますか?
水毒とは、体の中に余分な水分が停滞している状態のことを言います。
下に見られるような症状がありませんか?
□ 体が重だるい
□ やる気が出ない
□ 食欲がわかない
□ 眠りが浅く、疲れが抜けない
□ 顔がむくむ
□ ふくらはぎが疲れる、むくむ
□ 体が冷える
□ 熱がこもる
□ 便がゆるい
□ 腹痛や生理痛がある
□ 頭痛やめまいがある
いかがですか?
水毒の症状と夏バテの症状とが、かなり重なっていることがわかりますね。
“水毒”をためないスイカの活用法
暑い夏、からだの熱を下げるにはどうしたらいいでしょうか?
最強のおすすめ食材は“スイカ”。スイカは漢方では西瓜(セイカ)と呼ばれる漢方食材なのです。その効能は
□ 体を潤し、熱を下げる
□ 水分代謝を活発にして、むくみをとる
□ 暑さによるイライラを治める
冷たいビールを飲むと、一瞬は体が冷えるような気がします。でも、しばらくするとアルコールの働きで、逆に体がほてってきます。しかも、家に帰っても寝苦しく、何度もトイレに起きてしまって、翌朝はぐったり。
結果、そのくり返しで夏バテになってしまうのです。
スイカの白い皮の”シトルリン”
スイカの皮は「西瓜翠衣(セイカスイイ)」と呼ばれる漢方食材で、赤い部分よりさらに薬効が高いとされています。
最近の研究では、スイカに含まれる「シトルリン」という成分に血管を拡張して血行を促す働きがあることがわかりました。
血の巡りがよくなることで、冷えやむくみの改善、疲労回復、集中力アップ、血管のアンチエイジングなど、さまざまな効果が期待されています。
スイカの皮の部分には、赤い部分の約2倍のシトルリンが含まれているそうです。東洋医学、西洋医学、両方のお墨付きとなったスイカの皮。おいしく食べる簡単レシピをご紹介します。
薬膳美髪レシピ① 「爽快スイカジュース」
お腹を温める効果のある「生姜」を加えることで、スイカの冷やす力をコントロールしたレシピ。
ピリッとした生姜がアクセントのちょっぴり大人のスイカジュースです。
【作り方】
①スイカの緑の固い皮だけを剥き、残りをすべてミキサーに入れる
②生姜ひとかけをミキサーに入れる
③ミキサーを回す
*種や生姜がなめらかにならない場合は、種はあらかじめ取り除き、生姜はすり下ろして後で混ぜててください。
薬膳美髪レシピ② 「スイカの皮の塩昆布和え」
【作り方】
①赤い実の部分と固い緑の皮を取り、白い皮だけを短冊切りにする
②塩昆布と和えて、10分ほどおく
③出てきた水分を軽く絞って、盛りつける
*スイカの白い皮は“ウリ”と思って使いましょう。お味噌汁や炒め物、ぬか漬けなど、レパートリーが広がります。塩こんぶがなければ、白い部分を塩もみにして、シソの葉を添えたり、ポン酢をかけるだけでも立派な一品になります。
by 鳴海美紀 | |
国際鍼灸医師 国際薬膳師 健康美容コミュニケーター 養生文化研究家 |
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