このサイトはJavaScriptがオンになっていないと正常に表示されません

美髪研究所 髪を入り口に、すこやかで心地よく、
美しく生きるためのヒントをお届け

美髪のご縁で始まった“パレスチナ刺繍帯プロジェクト”

美髪のご縁で始まった“パレスチナ刺繍帯プロジェクト”

美容をきっかけに、体を内側から整えたり、心を活気づけてくれるサムシングもお届けしたい。uruotteを企画販売する株式会社クイーン運営のコミュニティサロン『Grenier』では、昨年より文化支援イベント —中東のカワイイ雑貨と食べもの 展示販売会—を定期開催しています。今回はその出展者の中から「パレスチナ刺繍帯プロジェクト」代表 山本真希さんのインタビューをお届けします。

山本さんの心をつかんだパレスチナの文化

——山本さんとのご縁は、uruotteの薬用育毛料「ハーバルエッセンス」の共同開発者でビューティサイエンティスト 岡部美代治さんが繋いでくださったのですよね。

山本さん
そうですね。私は元化粧品メーカーの研究員でして、当時の上司で師匠ともいえる存在が岡部さんです。現在の活動につながる“ 妥協なきものづくり ”をみっちり教えていただきました。その会社員時代から、ボランティアというかたちで駐日パレスチナ常駐総代表部(大使館)や各国大使館の文化交流イベントのお手伝いをしていまして。
パレスチナというと、紛争のイメージが浮かぶ方が多いと思います。実際、パレスチナの人々は長きにわたる紛争・違法な占領により、とても厳しい状況にあります。しかし、空爆などで多くの人々の命が失われないと、日本では話に上がりません。このような状況の中でも、人々は伝統文化を受け継いできています。
現地の職人さんの手仕事は本当に素晴らしくて。その中でも女性達による刺繍の美しさやかわいさにすっかり魅了されて、これをきものの帯に刺繍を施したらきっと素敵なものに違いない、日本の皆さまにも紛争だけでない美しいパレスチナの伝統文化を知ってほしい、と思いました。


——山本さんとしては、支援事業への興味より先に、パレスチナの文化に対する感動があった、という感じなのですね。

山本さん
はい。支援をメインとするNGO(国際的な課題の解決を目指す非営利団体)はすでにあるので。私がやっていきたいのは、「パレスチナの文化はこんなに素敵で良いもなのね」と思ってもらえるプロダクトをお届けすること。それをサステナブルなビジネスとして成立させることで、現地の人の支援もしていけたらと思います。

刺繍帯は反物の状態で受注を受けてからお仕立てへ。男性の職人がつくる白蝶貝の帯留めも繊細な美しさ。


——パレスチナの刺繍と日本のきものは、どういったきっかけで結びついたのでしょうか。

山本さん
私自身が日本舞踊のお稽古できものを着る習慣があったので、きものに施される正倉院(しょうそういん)文様なども、その昔に古代ペルシャからシルクロードを経由して日本に入ってきたことをを知っていました。なので、海外の伝統的な刺繍を帯に取り入れてみよう、というのはごく自然な流れだったんです。
パレスチナは、第一次中東戦争が始まるまでは染織が栄えた地域でした。きものや赤ちゃんの産着などに使われているガーゼも、もともとはパレスチナのガザ地方で織られた絹の薄い布が由来といわれていたりします。それこそ昔のガザは商業も栄えた地中海リゾートでしたし、ヨルダン川西岸地区にも切り立った断崖に5世紀から続く修道院が静かに佇んでいたりと、観光も楽しめる風光明媚なところなんです。刺繍での手仕事は昔から女性のみですが、戦前は機織りや染色も盛んで男性も従事していました。それが近代化や紛争により、素晴らしい手仕事の数々が失われつつあるのが現状です。

日本での展示会を行うと、きものを嗜む方からは「こんな帯は見たことがない」と感嘆の声があがるというパレスチナ刺繍帯

※当サイトに掲載されている内容の無断転載・引用、画像の無断複製・転用を禁じます。

美髪研究所TOP