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喜びすぎも怒りすぎもダメ!? ~美髪のための養生のすすめ③
髪にも、そして体にも健康な毎日を送るために、大切な考え方や過ごし方=養生について、東洋医学の知恵を知りましょう。
感情が病気の原因になる!?
東洋医学では病気になる原因を大きく3つに分けています。
それが「内因(ないいん)」「外因(がいいん)」「不内外因(ふないがいいん)」。
今日はそのうちの「内因」についてお話します。
「内因」とは自分の内側にある原因
つまり「感情」のことです。
喜:喜ぶ
怒:怒る
憂:憂う(うれう)
思:思い悩む
悲:悲しむ
恐:恐れる
驚:驚く
東洋医学では「感情」を7つに分けて「七情(しちじょう)」と呼んでいます。
これらの感情のうち、どれが病気の原因になると思いますか?
正解は7つすべてなんです。
気の流れが悪くなると…
毎日の生活の中で喜んだり怒ったり、ときにはびっくりしたり。
そんな自然な感情の動きは健康的なもので、気の流れを活性化してくれます。
ただし、それらの感情があまりに強すぎたり、その気持ちに囚われていつまでも引きずっていると、気の流れが滞り、様々なトラブルを引き起こしてしまうのです。
特に気をつけたい最初の2つの感情、「喜」と「怒」についてもう少し詳しく説明していきましょう。
怒りが原因のトラブルって?
たとえば「怒り」。
何か嫌なことがあったとき、相手に一瞬怒りがわくのは当たり前のこと。
それをすぐに相手にぶつければ、怒りもスッと治まります。
でも、それが仕事相手で怒りをグッと飲み込まなければならないこともありますよね。
家族が脱ぎっぱなしにしている靴下を見つけるたびに、イライラが募っていくという人もいるのではないでしょうか。
そんな状態が長く続くと、頭に血が昇りやすくなって、頭痛やめまい、目の充血や口内炎、にきびなど、漢方でいう「熱邪」による症状が出やすくなってしまうのです。
喜びが原因のトラブルって?
「喜」は、いったいどんなトラブルの原因になると思いますか?
心を明るくして、楽しくさせる「喜」は、気を活発に動かし発散させる働きがあり、たくさんのエネルギーを使う感情です。
たとえば大好きなアーティストのコンサート。
うれしくて、楽しみで、心臓がドキドキして眠れない。
これも短期的ですが不眠というトラブル。
ファンがコンサートで失神して倒れたりするのも、エネルギーが頭に昇ってしまうため。
そして、その後にはまさに”気が抜けたように“ぐったりしてしまいます。
気が動き過ぎると集中力もなくなります。
小さな子供と遊ぶとき、声を上げて喜ぶからといって、くすぐったり体を振り回したりしすぎると、眠れなくなったり、落ち着きのない子になってしまうことがあるので、注意が必要です。
上手に心のコリをほぐしましょう
人の心は揺れ動くもの。ときには泣いたり、怒ったり、思い悩むこともあるのが当たり前。
いちばん怖いのは、心が動かなくなってしまうことです。
あれこれ思い悩むだけで、実際には動こうとしない人。
後悔の念に囚われ続けている人。
いつも人のせいにして、怒ってばかりいる人。
ひとつの感情に縛り付けられていると、心が硬直して自由を失ってしまいます。
すると、好奇心がなくなり、どんどん老け込んでしまうことに。
みなさんの心はコリ固まっていませんか?
深呼吸をする、散歩をする、歌をうたう、部屋を片付ける、旅行をしてみる。
そんなちょっとしたことも、心のほぐしには有効です。
心のコリを感じたら、ぜひ試してみてくださいね。
国際鍼灸医師・国際薬膳師・健康美容コミュニケーター・養生文化研究家
鳴海美紀(なるみみき)さん |
1997年北京中医薬大学に留学し、国際鍼灸医師、国際薬膳師を取得。さらにタイやスリランカ等アジア諸国の伝統医学を幅広く研究。帰国後は漢方・薬膳セミナー、美容サロンのメニュー作成・技術指導、店舗への薬膳レシピ提供、テレビ番組の企画、健康記事の執筆・監修 |
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